メンズパーマ〜施術方法による分類

施術原理によるパーマの大分類
一般的に"パーマ"と言う場合、「髪に2種類のパーマ液(還元剤と酸化剤)を浸透させ、毛髪内のタンパク質結合を切断・再結合させる過程で髪にクセをつけるもの」といった風に定義されます。
このようにパーマ液の作用を利用した「コールドパーマ」が基本となり、更に熱を加えたり、水の粒子を加えたり、超音波を加えたりすることで、パーマのかかりを強くしたり、仕上がりの髪の質感を変えたり、髪の痛みを弱めたりと、様々な特徴を持つパーマが登場してきました。
このように施術原理で分類すると、パーマは大きく4〜5種類に分類されます。主要なパーマについて、その種類と特徴を紹介します。
1.コールドパーマ
パーマ液の作用のみでかけるパーマがコールドパーマです。一般的にパーマというと、このコールドパーマのことを指すことが多いです。「第一のパーマ」とも呼ばれます。熱を加えず常温でかけることからコールドパーマと呼ばれます(髪を冷やすからではありません)。
髪をまっすぐ伸ばしたり、ひねったり、または様々な道具を使うことで簡単・手軽に仕上がりの形状を変えることができます。コールドパーマの主なアレンジスタイルには、ストレートパーマ、ピンパーマ、スパイラルパーマ、ツイストパーマ、針金パーマなどがあります。
◆主な特徴
- 髪が濡れるとウェーブやカールが強く表れ、逆に乾燥すると緩くなる
- 様々なパーマスタイルにアレンジできる
- 他のパーマや髪型にスタイルチェンジしやすい
- しっとりとしたウェーブがかかる
- 髪が比較的傷みやすい
コールドパーマについては別項でより詳しく解説しています。
2.加温式パーマ(ウォームパーマ)
一定以上の熱を加えるとパーマの効果が強くなる"加温用パーマ液"を使ってかけるパーマが加温式パーマ(ウォームパーマ)です。遠赤外線加温機を使って60℃以下の熱を加えながらパーマをかけます。
◆主な特徴
- パーマ効果が強く、その分、短時間で安定したウェーブ、カールがかかる
- パーマにかかる時間が短縮できる分、髪のダメージが少なく傷みにくい
- その他の特徴はコールドパーマに準ずる
加湿式パーマについては別項でより詳しく解説しています。
3.ホットパーマ(形状記憶パーマ)
パーマ液を浸透させた髪に、更に熱を加えるパーマをホットパーマ、形状記憶パーマと呼びます。「第2のパーマ」とも呼ばれます。
主にロッドやヘアアイロンを通して熱を伝えます。熱を伝える方法や、使用される機器の違いによって様々な名称で呼ばれます。
デジタルパーマ、アイロンパーマ(コテパーマ)、縮毛矯正、アイロンストレートパーマなどがホットパーマに該当します。
◆主な特徴
- 髪が乾燥するとウェーブやカールが強く表れ、逆に水に濡れるとストレートになる
- 形状記憶力がとても強く、髪の手入れ、セット、スタイリングが楽
- パーマのかかりが強く長持ちする。クセの強い髪にもあたりやすい
- 髪の根元にパーマをあてにくく、毛先が傷みやすい
- 硬めの手ざわりになる
- 他のパーマや髪型にスタイルチェンジしにくい
ホットパーマについては別項でより詳しく解説しています。
4.水パーマ(スチームパーマ)
超微粒子の蒸気(スチーム)に変えた水を髪に浸透させながらかけるのが水パーマです。「ナノパーマ」や「ナノスチームパーマ」と呼ばれることもあります。
水の粒子が髪内部にたくさん入ることで髪のキューティクルが開き、パーマ液が浸透しやすくなるため、髪の痛みが少ないパーマです。
◆主な特徴
- 髪が濡れるとウェーブやカールが強く表れ、逆に乾燥すると緩くなる
- パーマ液の量や使う時間が少なくて済む為、髪のダメージが少なく傷みにくい
- 他のパーマよりかかりが弱めで持ちが悪い。クセの強い髪には向かない
- 比較的短時間でかけられる
水パーマについては別項でより詳しく解説しています。
5.エアウェーブ
髪を巻きつけたロッドに温風を流し、髪の温度や湿度をコントロールしながらかけるのがエアウェーブです。「第3のパーマ」とも呼ばれます。
髪の構造を安定させた状態でかけることが出来るため、髪の痛みが少なくて済みます。パーマをあてられる箇所に制限がなく、ふんわりと柔らかな質感に仕上がります。
◆主な特徴
- 髪へのダメージが少なく傷みにくい
- 髪の根元から毛先までどこでもかけられる
- 形状記憶力が強く、長持ちする
- ボリューム感が出るため、ハリやコシがないペタンとした髪に向いている
- きつめのパーマや極端に硬い髪には向かない
エアウェーブについては別項でより詳しく解説しています。
各種パーマの特徴比較
おおまかな特徴比較です。実際はパーマごとの種類や、美容師の技術、サロンで使用するパーマ液の種類・量、塗付時間などによって結果に差が生じます。
コールドパーマ | 加温式パーマ | ホットパーマ | 水パーマ | エアウェーブ | |
---|---|---|---|---|---|
施術原理 | パーマ剤 | 加温用パーマ剤 | パーマ剤+熱 | パーマ剤+水粒子 | パーマ剤+温風 |
かかりの強さ | 普通 | 強い | とても強い | 弱い | 強い |
保ち | 普通 | 良い | とても良い | 悪い | 良い |
髪の痛み | 普通〜多い | やや少ない | 普通〜多い | 少ない | やや少ない |
仕上がりの質感 | しっとり パサパサ 毛束感 | しっとり 毛束感 | 硬めで 弾力性がある | ツヤがあり柔らか | ふんわり柔らか |
向き・ 不向き | 傷んだ髪には不向き | クセの強い髪でもOK | ・強くしっかりしたウェーブやカールが作れる ・クセの強い髪でもOK ・傷んだ髪には不向き | ・傷んだ髪でもOK ・キツめのパーマやクセの強い髪は不向き | ・ボリュームの無いペタンとした髪向き ・キツめのパーマやクセの強い髪は不向き |
パーマが強まる 状態 | 濡れた時 | 濡れた時 | 乾燥時 | 濡れた時 | 特になし |
施術時間 | 普通 | 短め | 長め | 短め | 長め |
値段 (コールドパーマとの比較) | 普通(5〜8千円位) | コールドパーマよりやや高め | コールドパーマより高め(種類により1〜2万円位) | コールドパーマと同じ位か、やや高め | コールドパーマより高め(1〜2万円位) |
ここで紹介した以外にも、超音波パーマ、クリープパーマ、コスメパーマなど多様なパーマがあります。
各パーマについてはメンズパーマ一覧(種類別)を参照してください。