男の髪型 - くせ毛・天然パーマについて
くせ毛・天然パーマの原因と対処法
頑固なくせ毛や天然パーマは、髪を自由にスタイリングするのを妨げます。
酷いくせ毛は通常のドライヤーのブロ−と整髪料によるセットではあまり効果がなく、特に湿度の高い日は、朝しっかりスタイリングした髪も半日も保たずに崩れてしまいます。
髪にクセが生じる原因を認識し、有効なくせ毛対策を考えましょう。
1.くせ毛・天然パーマの原因
くせ毛・天然パーマの原因には、生まれつき髪にクセが付いている「先天性」のものと、日常の生活習慣等によってクセが生じる「後天性」のものの大きく2つがあります。
1-1.「先天性」のくせ毛の原因
生まれつきのくせ毛の原因は、主に「毛髪」と「毛穴」にあります。
毛髪の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。このタンパク質が結合することで毛髪の形状が維持されています。毛髪がまっすぐな状態で結合していれば直毛に、曲がった状態で結合していれば縮れ毛(くせ毛)になります。
タンパク質の構造は遺伝子で決まっているため変化することはありません。
2つ目の原因が毛穴の方向によるものです。
毛穴が皮膚に対してまっすぐ上を向いていると、毛発もまっすぐ直毛になります。毛穴が斜めにカーブしていると、毛髪も曲ってクセが生じます。斜め方向の毛穴が多いほど、くせ毛の数も多くなります。
これら2つは遺伝性の要因のため、食生活や環境改善で変化させることはできません。
一般にくせ毛の7〜8割が先天性のものであると言われています。
1-2.「後天性」のくせ毛の原因
日常の生活習慣の影響で髪質が一時的に変化することがあります。
以前は直毛だったのにいつの間にかくせ毛が増えていたり、ある時期からくせの程度が酷くなったりした人などが該当します。体質が大きく変化してしまうと、元の髪質に戻らないこともあり得るため注意が必要です。
- ホルモンバランスの変化
体内のホルモンバランスが大きく変化すると、心とからだに様々な変化が生じます。体質が変化することで直毛がくせ毛に変わることがあります。ホルモンバランスが崩れる要因には以下のようなものがあります。- 「思春期」:ホルモンの分泌量が増える
- 「更年期」:ホルモンの分泌量が不安定になる
- 疲れやストレス:ホルモンの分泌量が不安定になる
- 特定の病気や薬による作用
- その他、特定のホルモンの分泌を大きく増減させる行為や食生活
- 強いストレス
慢性的なストレスはホルモンバランスを崩すだけでなく、アドレナリンの分泌も増やします。これが活性酸素の増加をもたらし、老化を早めたり、皮脂の分泌促進に伴う抜け毛の原因となります。このアドレナリンが毛穴を締め付けたり、毛根の形を変えてくせ毛を引き起こすとの説があります。また血行不良に伴う頭皮の栄養不足がくせ毛の要因になる可能性もあります。科学的な実証はありませんが、ストレスが髪や頭皮に良くないことは事実です。 - 不規則な生活習慣、頭皮や毛穴への刺激
食生活の乱れや睡眠不足もホルモンバランスを崩すほか、頭皮の栄養不足や血行不良にもつながり、くせ毛になる可能性があります。また、整髪料やトリートメントの成分が頭皮に残った状態や、髪の洗いすぎによる皮脂の過剰分泌は、毛穴を詰まらせてくせ毛を誘発します。 - 老化に伴う毛髪の劣化
歳を重ねるごとに髪の張り・コシが失われて弾力を失い、直毛が縮れてくせ毛になります。
総じて不規則・不健康な生活習慣はくせ毛の悪化につながると言えるでしょう。
吹き出物(ニキビ)が増えたり、肌が脂ぎってきたり、口内炎ができたり、眠気や倦怠感、慢性疲労を感じたりなど、心身に普段とは違う変化や不快感が生じた時は要注意です。
2.原因に応じたくせ毛対策
2-1.先天性のくせ毛に対する対処法
毛髪の構造や毛穴の向きなど、生まれつきの原因によるくせ毛はを根本的に治す方法はありません。
しかし、現在生えている部分を直毛に近づける方法ならいくつかあります。
- 正しい洗髪を行う
<シャンプーについて>
髪と頭皮は常に清潔に保つ必要があります。シャンプーは自分の肌質に合わせて行いましょう。ポイントは汚れと余分な皮脂のみを洗浄することです。頭皮を守るために適度な皮脂は必要です。皮脂を全て落としてしまうと逆に皮脂の分泌を促進させて薄毛やくせ毛に繋がります。洗いすぎないことが重要です。詳細はヘアケアの基本で解説しています。
<トリートメントについて>
トリートメントは髪に栄養を与えて痛みを抑えます。また髪の表面を薄くコーティングすることで髪にツヤやコシを与えます。トリートメントは毛髪の中間〜毛先に行いましょう。毛根近くまでつけると、お湯で流されずに残ったものが毛穴に詰まりやすくなります。 - 髪のセットをしっかり行う
朝のセット・スタイリングを適切に行ってクセをしっかり矯正すれば、一日のヘアスタイルの持ちが良くなります。
詳細は「3.セット・スタイリング」を参照してください。 - ヘアアイロンを使う
高熱で髪を矯正するストレートアイロンもくせ毛対策として有効です。ある程度髪の長さがないと使えないのでミディアム〜ロングヘア向きです。髪へのダメージが大きいため、毎日のトリートメントは欠かさないようにしましょう。 - 縮毛矯正する
くせ毛を直毛に矯正するパーマ「縮毛矯正」を施せば、現在生えている髪については半永久的にストレートヘアになります。最近は髪へのダメージも大分抑えられるようになりました。一度かければ半年〜1年はもちますので、極度のくせ毛にお悩みの方は是非一度試してみることをお勧めします。ただ、くせ毛を直毛にすると、思った以上に髪のボリューム感がなくなるため、髪量が少ない人や髪が細い人は施術する前に美容師さんに相談してみたほうが良いでしょう。
2-2.後天性のくせ毛に対する対処法
後天性のくせ毛は主に生活習慣の乱れが原因となっています。そのため、前述した先天性のくせ毛に対する対処法と合わせて、生活習慣の改善も行っていきましょう。先天性のケースと違い、適切な対策を行えば元の髪質に戻すことができます。
睡眠・栄養・運動の三要素を充実させ、ストレスはため込まずに上手く発散させることが重要です。
一般に健康的で規則正しいとされる生活習慣を送るよう心がけましょう。
- 睡眠や休息を十分にとる
- 夜更かしは避け、早寝早起きを心がける
- 栄養バランスのとれた食事をとる
- 脂っぽいものや糖分を取りすぎない。暴飲暴食をしない
- ストレスを溜めすぎないようにする(上手く発散する)
- タバコやお酒は控えめにする
- 頭皮への刺激を少なくする
ヘアカラーに含まれる化学成分やシャンプーの界面活性剤は、種類や量によって頭皮に悪影響を与えます。天然成分のハーブシャンプーに変えて、くせ毛が改善されたという話もあります。
3.くせ毛のセット・スタイリング法
くせの強い髪や天然パーマの場合、日常的に適切な髪のケアを行うことで髪をセットしやすくなり、朝のセット・スタイリング時にクセをしっかり矯正すれば、一日のヘアスタイルの持ちが良くなります。
重要なポイントを解説します。
3-1.髪を良い状態に保っておく
髪が傷んでいたり、汚れていたり、皮脂が多くついていたりすると、ドライヤーでブローしたり整髪長を使ってもスタイリングが上手くいきません。
シャンプーやコンディショナーで髪は常に清潔に保ち、十分にハリ・コシがある状態にしておきましょう。
- 【参考】:ヘアケアの基本
3-2.髪を濡らしてクセをとる
初めに髪をしっかりと濡らしてクセをとります。クセのある部分だけを軽く濡らすよりも、髪全体をシャワーなどでしっかりと濡らした方がクセがしっかりとれてスタイリングしやすくなります。セット前にシャンプーやトリートメントも行うとより効果的です。
くせ毛の矯正効果で順位をつけると、
- シャンプー&トリートメントをする > シャンプーする > 髪全体をしっかり濡らす > 霧吹きなどで軽く濡らす > 髪が乾いた状態
といった具合です。
汗を大量にかく夏場などを除き、前日の夜と翌朝の2回シャンプーを行うと洗いすぎになりやすいため、朝シャプーをするなら前日夜はシャンプーしない方が良いでしょう。
3-3.タオルドライ
洗髪後はタオルで髪の水分を十分にとります。
この際、髪をタオルでこするようにすると髪が痛みます。こするのではなくタオルを髪に押し付けて水分をタオルに吸収させるようにしましょう。
3-4.ドライヤーで乾燥させる
濡れた髪をドライヤーでブローして乾かします。
髪は乾いた時の形状が維持されるため、どう乾かすかがセット・スタイリングにおいてとても重要です。
特に重要なのが髪の根元です。髪にボリュームを出したいなら、クシで髪の根本ををしっかり立たせた状態で、毛先だけでなく根本まで乾燥させます。逆にボリュームを抑えたいなら、根本を寝かせた状態で乾燥させます。
くせ毛を矯正するには、髪がまっすぐになるようクシでゆっくりとかしながらドライヤーで8〜9割方乾かし、最後に温まった髪に冷風をあてて冷やします。これによりキープ力が強まります。
ブローを終えた時点で自分のイメージするスタイルがある程度出来上がっているのが理想です。
※高熱は髪を痛めてクセを酷くするので、ドライヤーはなるべく髪から離してブローしましょう。
3-5.整髪料を使う
出来上がったスタイルを一日維持するため、最後に整髪料を使ってスタイルを固定します。
整髪料は髪全体にベタベタと塗るとせっかく作ったスタイルが崩れてしまいます。スプレータイプの整髪料を使ったり、ムースタイプのものをクセの強い所にピンポイントで使うとナチュラルな感じが出て効果的です。
整髪料が頭皮や毛穴に付かないよう、根元付近にまで使うのは避けましょう。
ヘアアイロンについて
クセが強い髪には髪を挟み込むタイプのヘアアイロン「ストレートアイロン」も使う方法もあります。
矯正効果は強いですが、髪が高温になるためどうしても髪が痛みます。使用する場合は毎日のヘアケアを欠かさないようにしましょう。